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2019’01.22・Tue

珈琲旅・盛岡7 〜白龍、機屋〜

機屋の居間を借りて、一泊させてもらいました。
お布団はポカポカと暖かく、ぐっすりと寝られました。
ムクリと起きたら、夫がそそくさとカウンターへ向かいます。
「抽出しよう!」
朝の機屋のカウンターで、自主練を再開しました。


昨日の感じを思い浮かべて、お湯を垂らしました。
私は、すこし「待つ」のをやってみました。
そうすると果たして、なんと、豆は待ってくれたのです。
そうして淹れたデミタスは、酸が柔らかくなっていました。
しかし、旨味の部分が固いなあ。
そこへ関さんが起きてきたので、飲んでもらいました。
「美味しい」と言ってもらえました。
「関さん、それ、半分は優しさでしょう!」と言ったら、関さんはニヤリと笑いました。
そうか、豆は待ってくれるんだと思い、そこに新鮮な驚きを感じました。
後に伺う「わたなべ」さんで「待ってくれない豆もある」と聞いて「ひょー」となるのですが、それは別の話として、過抽出にならずに豆にしっかりお湯を含ませるには、という部分を強く意識することとなりました。
もっと「自分がこうしたい」という気持ちから離れて、豆がどうなりたいかに心を砕いたら、豆が何かを促してくれることがあるのかもしれない。
何か、そのような事を思いました。






「よし、朝ごはん行くぞー」の一声で、ご飯を食べに出かけました。
朝の盛岡を、関さんと夫と私の三人で歩いていきます。
盛岡は空が広いなあ。


昨日も行った櫻山神社の近くの「白龍」というお店に行きました。
20190122_p01.jpg


白龍と書いて、ぱいろん。
関さんの大好物、じゃじゃ麺のお店です。
かなりガッツリな麺なので、小盛りをお願いしました。
柔らか麺に肉味噌と生姜がよく絡みます。
ほんの一、二滴ラー油を垂らすと、また味に奥行きが出て複雑になります。
おお、これはいける!。美味しい〜。


麺を食べ終わったら、卵とお湯を足してチータンタンというスープを作ってもらえます。
こちらも良いお味です。体が温まる〜。
ふと、正面を見やると、関さんが当にチータンタンを飲まんとしている所でした。
安らぎと充足で満ちた表情の関さんが、背中に朝日を受けてチータンタンを啜ろうとしている。
こっ、こんな安らぎに満ちた関さんは初めて!!。
背中の朝日が後光のよう。
思わず手を合わせたくなってしまう。
ああ、あの表情が写真に残せたらどんなに良かったろう。


大満足で白龍を出て、歩いて機屋に戻りました。
20190122_hataya01.jpg



機屋に戻ったら、今度は関さんは店主モード、我々はお客さんモードに切り替えです。
夫が、お客として機屋のカウンターに座るのは数年ぶりだと喜んでいました。
この日の機屋。
20190122_04.jpg



関さんが昨日の流れでコーヒーを選んでくださるというので、お願いしました。
一杯目、モカハラーボールドグレイン
20190122_01.jpg


薄い酸が何層にも重なっていて、旨味と甘味が呼応するように酸味の反対側で層になっている。それらが柔らかなグラデーションで溶け合っている印象でした。
一枚の絵画を観る思いがしました。
酸味の部分は薄い雲の重なりの様で、甘味と旨味の部分は日が陰る頃の西の山陰のよう。
風景全体が薄い桜色から紅色の色調の、東山魁夷みたいな色使いのように思われました。
しかし、「昨日からの流れ」かあ。
流れ、流れ・・・うーんうーん、流れが見えない。恥ずかしい。



二杯目、カルモシモサカ92
20190122_02.jpg



ピンとした酸味と、盛り上がる旨味。
オールドの酸の美味しさの醍醐味を堪能しました。
ランブルで飲んだブラジル・バイーア73を思い出します。
あのオールドの佇まいに、まさか盛岡で出会えるなんて。
ランブルの懐かしい思い出と、盛岡の新しい思い出が交錯します。
盛り上がる旨味の中に、軽やかさを感じます。
その軽やかさの中に、ブラジルを感じます。
最後の方に盛り上がる旨味の追い上げには唸りました。



三杯目、ブラジルセラード97
20190122_03.jpg



やはりオールドの酸味がスッと入っているのですが、それを支える苦味の層が前2つよりしっかりして感じました。
味の余韻が穏やかに残ります。
関さんが淹れるから、やはり柔らかな夢のような佇まいなのだけど、儚い夢なのか色のある夢なのか、そういう違いでもって一番色のある一杯のように思えました。
関さんが、昨日の流れからこの3つを選んだんだよ、セラードはハラーとカルモシモサカの間をいく感じなんだよ、と言っていて・・・
恥ずかしながら種明かしをされて、私はやっと「ああ!」と思ったのでした。
会話の最中、関さんは何度か、いつの間にかという程でお題を出して来ます。
夫は流石で「これはお題だ!」とピンと来て、私よりしっかり受け止めるようでした。
(そして大抵は「まだまだだなあ、タクフミィ!」となって、「ウキィ〜、クヤシィー!」というショートコントというか様式美が現れるのですが・・・)
関さん夫もすごいなあと思いました。


次に関さんがワハナロングベリーを作ってくれました。
夫はこれにも舌鼓を打っていましたが、私はこの時点でコーヒー量がかなり多くなっていたので一口だけにして自粛しました。
折角の機会なのに勿体なかったのですが、こればかりはどうにもこうにも。
さらにお恥ずかしいことには、前3杯の味を記憶しておくのに必死で、味の記録も留めておけなかったのです。
重ねて勿体ない事をしました。


最後に遊びでブラインドコーヒーをすることにしました。
謎のコーヒーがスス〜〜っと出て来ます。
ニヤニヤしている関さん。
むむー!、よし、全力だー。
オールドの香りはしますが、今回機屋で飲んだことのない味がします。
少し果物みたいなイメージというか・・・。
「赤」が思い浮かびます。
えーえー、なんだろう、全然分かんない。
「飲んだことない」という自分の直感を信じて、パナマとシモサカは除外します。
残りの瓶は3本。
「赤」のイメージを頼りに、グァテマラを選びました。
グァテマラを飲むとき「赤」が浮かぶことが多かったからという理由だったのですが、答えはハワイコナ95でした。
全然違ったーーー。


関さんがニヤニヤと、「お前さんたち、もっと探らないとダメだよ〜」と言って、瓶の焙煎日シールを見せたのでした。
わー、全然分からなかったなあ。
関さんが、ハワイは梅干しっぽく出したいと言ってて、すんなり納得しました。
確かに梅干しっぽい酸だったかも。
そうか、感じた赤は梅干しの赤だったんだなあ。


コーヒーを飲んでいる間、関さんがいろんなものを伝えようとしてくれてるのを肌で感じました。
全力で受け取ろうとしましたが、渡されたものが大き過ぎて解読できない自分を痛感します。
受け取り損ねたものがたくさんあるのではないかしら。
消化するのにも時間がかかりそう。
これからも、自分の器にも磨きをかけていこう。
渡してくれた人の心をしっかりと受け止められるように。


荷物をまとめて、機屋を後にしました。
たくさんの素晴らしいものをいただきました。
私ももっともっと、たくさん勉強していこう。
関さん、機屋の皆さん、本当に本当にありがとうございました。


20190122_hataya02.jpg
機屋、またいつか!。



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